ITスキル標準経営者向け概説書 経営者へのメッセージ-人材投資で実現するビジネス戦略 を通販で購入する(通信販売で予約する)

　経営者の方のお話しを聞くと、企業にとって「人材が重要」、「人がすべて」という言葉がよく飛び出しますが、その考え方が組織としての具体的な活動につながっているでしょうか。
　たとえば、
　・人材育成に投資するためのしっかりとした根拠と、投資結果の判断材料をお持ちでしょうか？
　・人材のスキルという観点から、自社の実力をどこまで正確に把握できているでしょうか？
　・自社の強みと弱みを認識しているでしょうか？
　・自社の強みを生かす経営戦略が遂行されているでしょうか？
　・致命的になる前に、弱みをカバーする策を考えているでしょうか？
　・ビジネス目標や人材育成計画は、技術者の現状を正確に把握した上で策定されているでしょうか？
　・人員を適材適所に配置した効率的な体制になっているでしょうか？
　・赤字になったプロジェクトの失敗の原因や、さらなる利益の追求のための最適化をお考えでしょうか？
といった問いを突き詰めていくと、ビジネス目標達成のためにいかに優秀な人材を確保するかという、すべての企業に共通する経営課題に行き着きます。そこで求められるのは、魅力ある企業であり、技術者が自分を磨ける環境です。
　ビジネスにおける競争がグローバル化し、さらに激化している現在、ビジネスに寄与するITの役割が、以前にも増して重要になっています。競争相手を打ち負かし、ビジネスを成功に導く上で、IT戦略の良し悪しが、かなり重要な位置を占めるようになっているということです。こうした状況の中では、ITサービスを提供する側も受ける側も、しっかりと戦略を立て、実施し、常に改善していく能力が必要になります。また、その能力を持った人材を育成、確保していくことは、企業の将来を考える上で最も重要なことだと言っても過言ではありません。多くの企業が、ビジネス目標達成のために人材投資をより効果的に実施していく必要に迫られているのが現状だと言えるでしょう。
　「ITスキル標準」は、企業にとって、現在および将来のビジネスに貢献できるプロフェッショナルの育成を目的とした仕組みです。2002年12月に経済産業省より提供され、独立行政法人情報処理推進機構（以下IPA）が内容のブラッシュアップを含めた維持管理という役割を担っています。
　本書は、人材投資の必要性と「ITスキル標準」の有効性を、経営者として理解し、自らその活用のリーダシップを取っていただくために、現状や事例を元にわかりやすく説明したものです。実際に「ITスキル標準」を活用されている企業の経営者の方々にも、議論にご参加いただいたことで、より現実的な内容にすることができました。
　ぜひ、多くの経営者の皆様にお読みいただき、少しでもビジネス目標の達成に向けた人材育成に活用していただけることを願っています。

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