ポライトネスと英語教育-言語使用における対人関係の機能 を通販で購入する(通信販売で予約する)

出版社からのコメント

著者からのコメント

日本語は語彙そのものが敬意・非敬意を含むために、相手によって適切な敬語を選択しなければならない。しかしこれを「ポライトネス」の視点から見ると、相手の比重は他の要素と同等でありそれのみで語彙選択は決められない。
敬語をも視野に入れることのできる「ポライトネス」では、語彙だけでなく発話・文章全体がある特定の目的を達成するために適切であるか否かを問題とする。そしてその根底に対話者双方が持つ基本的欲求、ポジティブ・フェイスとネガティブ・フェイスがあるとする。すなわち、対話者は同じ線上に立つ共同者・協力者であり、ことばによる距離の調節によって互いのフェイスを尊重し維持している、と考える。

英語母語話者にはこのような態度が多く見られることが著者らの調査・研究によってわかった。しかしそれは日本の英語教育ではほとんど認識されていないし、教育にも意識的には取り入れられていない。このような人間関係の構築・維持に関わる事柄が等閑にされたままでは、国際社会で誤解されない日本人、そして「英語が話せる日本人」を育てることはできない。